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昨日の常識は、今日の非常識

VOL.42
2018.12

こんにちは。院長の新です。

 

12月です。平成最後の師走を迎えました。皆様におかれましては、冬支度の準備はお済みでしょうか。
当院も頼もしいスタッフが中心となって、くりにっくの年末の大清掃を頑張ってくれています。

 

最近、読んだ本の中に興味深い内容がありましたのでシェアさせていただきます。

日本の平均寿命は、男性で80.98歳。女性で87.14歳。世界でもトップを誇る結果である一方、健康寿命は、男性72.14歳。女性74.79歳。と、かなりの開きがあるのです。これはどういう事かというと、日本は世界に比べて寝たきり患者さまが多く、実は様々なサポートを受けながら生かされているといった状況と言えるでしょう。平均寿命が高いがゆえに、医学が進歩し健康になった!との見解がなされるのは、いかがなものなのでしょうか。個人的に疑問を感じずにはいられませんでした。

 

「昨日の常識は、今日の非常識」

自分が信じてきた日本の医療進歩神話が崩れゆく思いです。

 

しかしながら、この「昨日の常識は、今日の非常識」は、栄養の分野にも多々みられます。


例えば、、、。

糖尿病を代表とする「メタボリック症候群」。効果のある対策法として「カロリー制限」をおこなうこと。が言われていましたが、現在はカロリーに注目するよりも、「過剰摂取している糖質を制限しましょう」という傾向になってきています。

 

中年を過ぎると気になるコレステロー値。以前は、1日卵1個までなどと食事を制限されていましたが、コレステロールは食事でというより肝臓に80%の要因があると解明されており、1日卵を5~6個食べても問題ないとされています。

 

私たちが子供の頃に定説であった「牛乳飲んで身長を伸ばそう」。昔から言われてきた牛乳神話。 これも、牛乳を過剰摂取すると逆にカルシウム不足となり、その結果骨がもろくなったり、腹痛・下痢などを引き起こし腸内環境が不安定となったりすると言われています。

 

牛肉は、体に悪いと言われ続けてきましたので、避けられている方もいるのではないでしょうか。赤みの肉は、良質なたんぱく質やビタミン類を多く含んでおり、今では健康志向の方は進んで食する食材となりました。逆に肉を避けてきた弊害として、長年によるたんぱく質不足により、うつ病になったり、だるくなったり、とビタミンB群や鉄・亜鉛不足の症状が出ている方がみられます。

 

紫外線は、光老化を推進すると言われており、皮膚のしみや皮膚がんになるとされています。その事に過敏になり過ぎ、ドラキュラ並みの紫外線対策や日よけを入念にした結果、ビタミンD不足からのうつ病の発症や、ビタミン欠乏症、免疫低下によるインフルエンザや風邪にかかりやすくなったり、アレルギー疾患を発症したりすると思われます。

 

これらは、今まで長い間常識とされていた事柄ばかりです。長い間「健康になるための真実」と信じられてきた神話がことごとく崩壊してきているのです。これは、研究者たちが思い込みを捨てたことにより、「多様性のある人間の体の真実」の実態が見え始めてきたからではないのでしょうか。これからの時代を乗り切るには、考え方を柔軟にし、常識にとらわれず、自分自身の体の個性を把握しながら健康を維持する生き方が求められているのではないでしょうか。

 

当院では、各人の個性に合わせた情報を皆様に選択してもらう機会として、毎月セミナーを開催しております。情報を知らないままでは選択のしようもありません。ご自身お体は結局ご自身で守るしかなく、医療はあくまでもサポートでしかないのです。病院という場所は、疾病が発症してから始めてその役割を担う場所ですが、私はこのこと自体に問題があると長年考えていました。大学病院から個人のクリニックを開院した理由の一つもここにあります。これからも、皆様の未病を防ぐお手伝いをさせていただきたいと考えております。 元気に寿命を全うしていただく方が一人でも増えると信じて!!

 

最後になりましたが、当院の患者さま。また、この『あいまいもこ』をご覧の皆さま。今年も大変お世話になりました。「日々の食事や生活習慣を見直すことで、確実に、体は、変わる!」私もスタッフも数年にわたり取り組んできたこのテーマですが、患者さまにもご理解いただけるようになってきたと感じております。

 

きたる2019年もさらに学びを深め、もっと多くの情報と適切な医療の提供に努めてまいります。
ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

 

院長 新  浩一

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