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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

精神的に不安定の方を診察して思うこと

VOL.60
2022.10

こんにちは院長の新です。

 

秋になり、すっかり過ごしやすい季節になりました。
コロナ禍となって、そろそろ3年です。
最近、しみじみ思うことがあります。それは、精神疾患(不眠・うつ・パニックなど)が増えたなぁということです。原因は、さまざまです。

 

そんな精神的に不安定の方を診察して思うことを今日は書こうと思います。

 

私は、漢方治療もしています。そのため、舌診・脈診・腹診などの診察も併行して実施しています。ベットに寝てもらってお腹を出してもらい、上から触れたり、押させてもらったり、腸の音を聴診したり、これが私の診療スタイルなのですが、そんな中、つくづく感じることですが、精神症状の患者様なのに、お腹を押した時に痛がる、そして、お腹が硬いなどあらゆる所見が腹部に出ているのです。もちろんご本人は、気づいていないことがほとんどです。

 

例えば、炎症がある、ストレスで緊張状態にある、消化不良、血液の流れが悪いや老化が進んでいるなどがわかるのです。

 

そういえば古くからのことわざも『腹』に関することが沢山ありますね。
「腹が黒い」、「腹が据わる」、「腹が立つ」、「腹に納める」、「腹に据えかねる」、「腹を抱える」、「腹を探る」、「腹を割る」など腹で始まるストレス用語を今思い浮かぶだけでもこんなにもあることに、改めて驚かされます。

 

漢方の歴史は古く2000~3000年
昔の人は、本当に、“精神疾患はお腹に表れる”ことをよく理解していたのだなあ、と感心します。

 

一方、西洋医学・栄養学においても、“腸脳相関”が知られており、お腹の調子を悪くするとうつっぽくなり、また精神的ストレスが加わると腹痛に見舞われたりもします。
緊張すると吐き気がして「ウエッ!」とえずいたことはありませんか?

 

みなさまも、多少なりこのような経験があるのではないでしょうか?
私自身も、学会発表で緊張すると、ものすごく腹痛がひどくなって、しばらくご飯が食べられなくなったりしました。。。

 

感情のストレスは、お腹と直結しているようです。

 

これらは、学問的にも、理にかなっているのです。
腸内細菌が、精神を左右する神経伝達物質である、「セロトニン」「ドーパミン」「GABA」を産生したりしているのです。

 

私自身、精神疾患の患者様の腸内環境が改善され、おなかの状態が改善すると、精神状態までもが落ち着いてくると実感しています。
近い将来もしかしたら、消化器内科医とは違う分野の消化器精神科医なる分野が登場してくるのではないでしょうか。「今日の消化器医は、明日の精神科医」になるかも??です。

 

最後に当院が開業からよく言っている言葉!
「病は気から!」
気は気持ちであり、また心・感情と捉えてもいいかもしれません。その心・感情をコントロールしているのが「腸」だとすると、「すべての病は腸から」なのかもしれません。

 

だから、皆さまもたかが便秘、下痢、と軽く考えず、普段の食事から見直してみてはいかがでしょうか。

 

お腹や精神の不調の方、アレルギー疾患の方には、
まず小麦製品(パン・麺類)、カゼイン(牛乳・ヨーグルト)を抜いていただきます。
同時に甘いものなどの間食、ジュース、果物も控えていただきます。

 

上記心当たりの方は試しにこれらに気を付けた食事を2週間お試しください。


 

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