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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

卒業シーズン

VOL.69
2024.03

こんにちは 
院長の新です。

 

早いもので、3月ももう終わります。
3月と言えば卒業シーズン。
みなさんの心の中にも思い出の卒業ソングが流れているのではないでしょうか。
私も♪卒業写真「悲しいことがあると、開く皮の表紙 卒業写真のあの人は…」
♪Sakura「さくら、ひらひら舞い落ちて…」など聞こえてくると思わず涙してしまいます。
この春は、我が家の子どもの巣立ちも重なり、なおさら涙もろくなっている気がします。

 

そして、私事続きで、もうひとつ。
44年間、地域の医療を支え続けてきた、父(新 正浩)が新内科医院を3月31日で閉院することになりました。これまで地域の皆さまに支えて頂き、本当にありがとうございました。

ここ数年間は、父も体が弱り、入退院を繰り返し診療時間を短縮しながら続けておりましたが、この春引退することを自ら決断いたしました。診療しか興味のない父なので幾度となく自らの決断を問いかけ続けたことだと思います。そんな中でも診療を続けられたのは、ひとえに通って来てくださる患者様からの父を必要と言ってくださる声があったからだと思います。
本当に皆様に心から感謝しております。この場を借りて改め御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

 

家族の中では、口数も少ない父ではありましたが、患者さまとの会話は楽しんでいる様子でした。そんな父は、石川県白山市美川の生まれで、地元の中学卒業後、県立泉が丘高校、金沢大学医学部を卒業し、金沢大学の放射線科に入局しました。

 

今とは違いCTもなかった時代、毎日毎日血管造影が仕事のほとんどを占めていたそうです。そして、その父が3年前、同じ放射線科の先生に命を救われることになったのです。

 

3年前のある日、突然の腹痛で救急車で運ばれます。脾動脈に瘤ができ脾動脈瘤破裂という病気でした。大出血してしまうと、最悪の事態も想像できる病気です。その際、放射線科の女性医師が血管からカテーテルを用いて瘤の中にコイルを詰めて血流をなくすという治療を4時間かけて行ってくださいました。その後、家族に画像を見ながら病状説明とどんな治療をしたのかを丁寧に説明してくれたのですが、一緒に聞いていた娘は、その繊細な処置に感動し、自らも医師になる事を決意したそうです。
珍しい病気になりましたが、これも不思議な巡りあわせなのだと思います。

 

2024年3月31日で新内科医院は、閉院いたしますが、医院裏の「なつかしや」(古民家喫茶店)でスタッフと認知症カフェを開催していく予定です。ご興味ある方、また久しぶりに父に会いたいと思ってくださる方は、ぜひご参加ください。

 

これまで長きに渡り新内科医院に通院くださった患者さま、地域の皆様、また門前薬局、検査会社としてお世話になりました株式会社アルプ様、明祥様、スズケン様、メディセオ様、多くの関係者の皆様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

この春、扉を閉じる者もいれば、扉を開け巣立とうとする者もいます。たまたま?なのかもしれませんが、どこかで誰かが絶妙なタイミングを計算して導いてくれている気さえします。心から感謝の気持ちがあふれてくる春です。

 

最後に改めまして
2024年3月31日 白山市西柏町 新内科医院 閉院いたします。
みなさま 長い間本当にありがとうございました。

 

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