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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

食について

VOL.14
2015.10

こんにちは 院長の新です。

秋と言えば、芸術、読書、そして、食欲の秋ですね。
今月は、「食」について少しお話しようと思います。

 

先月になりますが、当院に通っていただいている患者さまにコミュニティルームで野菜作りについてのお話し会をしていただきました。先祖代々の土地で野菜作りをしていらっしゃる方です。無農薬でおいしい数種類の野菜を作っていらっしゃいます。新くりにっくのスタッフは、プランターや庭の一角で野菜を作っている者も多く、興味津津でおいしい野菜の作り方について沢山為になるお話しを頂きました。そこで、そのお話を少しシェアさせていただきます。

 

まず、野菜作りは、土作りが命だそうです。よく耕し、育てる作物に適した肥料をまぜ「ふわふわな土」にするのが肝心だとか。ふわふわな土にすることで根を伸ばしやすくなり、栄養や水を沢山吸い上げることが出来るようになります。肥料にもポイントがあり、栄養素と同じく窒素肥料・リン酸肥料・カリ肥料と言われる三要素をそれぞれの作物に合わせて、葉物野菜・根もの野菜と配合をかえるのだとか。

そして、更に興味深いのが

 

「肥料も与えすぎると葉ばかり大きくなり実がならなくなる」
「同じところにばかりに植えると上手く育たない」
「トマトは、水を与えず甘くする」
「(野菜は、)毎日見て話しかけ気をかけてあげると必ず答えてくれる」

 

のだそうです。

 

個性に合わせて適した環境と栄養、そして愛情を与えるとすくすく育つ。まるで人間と同じだと思いませんか。子育てにも通じる有難いお話でした。 我が家も小学生の子供がおりますので、野菜の話を聞きながら育児の話を聞いているようでとても身にしみました。

 

野菜を育てること=子どもを育てることから考えた事は 人間と人間、人間と動物や植物などの生物に留まらず、己と関わりあるあらゆるモノは、感謝しながらそのモノたちに適した要素を選択し愛情を注ぎ自ら育んでいくものだなと感じました。毎日、目をかけ気にかけ、思いを込め愛情を注ぎ、栄養いっぱい愛情あふれる子供を育てるのは、親ばかりでなく地域の大人達だなとも思いました。目をかけ気にかけ愛情を注ぐのは多い方が良いですよね。昭和の時代は、地域の子と言う概念がもっと強かったように感じます。誰が教えたわけでもなく、戦後経済が目まぐるしく発展した時代、親だけでの手では足りない事を自然と察知し、地域がご近所さんが手を口を貸していた。環境である土壌作りが出来ていたのですね。それが、安定安心の時代になり薄れて来てしまったように感じます。安定安心は、とても良いことなのですが、古き良き風習も残したく、新くりにっくは、小児科では無く内科ですが、コミュニティルームを使い地域の子供達の育成にも積極的に関わっていきたいと思っています。

 

また、更に農薬は使わず、スーパーの野菜は買わず旬のものだけ食べるといううらやましい食生活の話もしていただきました。旬の物がどうして体に良いのでしょうか。美味しいから!では、なぜ美味しいのでしょうか。

 

例えば、通年、見かける人参ですが、本来の旬は寒くなって来るこれからの時期です。この時期の人参のカロチンの量は、旬ではない時期の人参と比べると2.5倍もの栄養価の違いがあるのだとか。また、寒暖差の激しいところで育った野菜も、栄養価が高いそうです。「旬のものを食べましょう!」というのは、その時期その時期に必要な栄養素を口から頂くことで体の調子を整える。その事で自然と未病を防ぐことになるからなのだなと思いました。良薬口に苦しですが、本当に必要なモノは美味なのですね!どうせ食べるなら栄養価の高く美味なモノの方が良いですよね。私自身も毎日食べるモノの栄養面や安全についての重要性を痛感しています。ある雑誌で日本の医学部の栄養学を学ぶ時間は、少なすぎる。もっと医者は、栄養学を学ぶべきだという一節を目にしたことがあります。体は、毎日の食事からできますし、健康な体作りは、食からです。食材の中でも旬の野菜やフルーツは、栄養素や必須ビタミンが豊富に手軽に美味しく摂取できるおすすめの食材です。

 

食欲の秋。 食物繊維・カロチン・ビタミン・カルシウム・鉄と作り手の思いがふんだんに詰まったパワーいっぱいの野菜やフルーツをバランスよく食べ、よく笑い、よく眠り、適度な運動を心がけて、自らの体に適した環境づくりをし、愛情を注ぎ育成しましょう。

 

院長 新  浩一

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