コラム バックナンバーBack number

ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

うつ病について

VOL.26
2016.12

師走になり、めっきり寒くなりました。
冬将軍の到来です。

 

こんにちは院長の新です。

 

季節の変わり目や環境の変化が落ち着いたときによく起こる症状があります。寒い時期も、日照不足の影響なのか気分が落ち込むという声をよく耳にします。人間、誰でも良い時もあれば悪い時もある。気分の浮き沈みはあるものですが、この気分の沈みが深く、かつ長く続いた状態を「うつ病」と呼びます。

最近は、この「うつ病」が増えてきている事を実感します。テレビでも「ブラック企業」「過労死問題」「いじめ問題」などを取り上げる機会が多く、現代は、ストレスに溢れてかえっていると言っても過言ではありません。こう言った精神的ストレスが、うつ病を作り上げているのではないかと言われており、これを受けて医療界でも産業医業務で、H27年12月から職場のストレスチェックの義務化が導入され始めています。

 

もし、「うつ病」になったら・・・・。「うつ病」を心の風邪と呼ぶドクターもおりますが、風邪の時と同じように休息するしか方法はないのではないでしょうか。患者さまがやれることは、精神科で抗うつ薬を処方してもらうぐらいで、それでもすっきりと治る事はあまりありません。逆に経過で自殺(特に回復期)の心配も出てきたりするケースもあります。教科書的にも「うつ病」の原因は不明です。有効な治療法がなく、悶々とするばかりなのが「うつ病」の現状かと思います。

 

私は、内科医であって精神科医でないのですが、内科医としてこの「うつ病」に対し、アプローチが出来るのではと感じています。漢方の考えでは、「うつ病」というのは、元気の“気”が失せた状態とされています。この気を補う漢方薬があり、これがうつ状態を回復したりもします。

 

また、私は「うつ病」の本当の原因は栄養状態にあるのではないかとも考えています。
「栄養が完璧ならうつ病にならない」のか。

 

栄養療法(蛋白質・ビタミンB群・ビタミンD・鉄など)や腸内環境の改善へのアプローチが根本的解決になるカギになり得ると研究しているドクターもいますし、ケースバイケースですが、実際に食事療法のみで改善している患者さまもおります。

 

「うつ病」になってからの対処法のみならず「うつ病」にならないための対策も必要ですが、バランスのとれた栄養、睡眠、運動習慣、日光浴は言うまでもなく重要です。その他にも、落ち込んだ時の自分を認識すること。これがとても重要なことだと感じます。自分はどういうことでストレスが溜まりやすく、どういうことでストレスを手放すことができるのか。このストレスを手放す作業、つまり、自分独自の癒しのメニューを持つことが現代人には必要だと思うのです。

 

私の場合の落ち込んだ時の癒しメニューは、
1.おひとりさまカラオケ
2.映画鑑賞
3.マッサージに行く

 

こうしたお気に入りの癒しメニューで気分の回復を計っています。ストレスを感じ落ち込んだら、溜めこまずに発散させる事や自分を癒すこと。どの症状も体のサインです。見て見ぬふり、聞こえないふりをしていると、いずれ身体症状や精神症状(うつ病など)となり現れます。

 

年末年始を迎え、慌ただしく気忙しい日々がやってきます。ついつい見過ごしがちの体のサイン。そんな気忙しい時にこそ、一息ついてご自身の体のサインに耳を澄ましてみてはいかがでしょうか。

 

本ブログにお越しくださいました全ての皆様の健康と平和、さらに素晴らしい年をお迎えすることをお祈り、2016年最後のご挨拶とさせていただきます。

本年もありがとうございました。


 

院長 新  浩一

PAGE TOP