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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

胃カメラ導入

VOL.33
2017.10

こんにちは。
院長の新です。

 

秋分が過ぎ、秋を感じます。過ごしやすくなった今日この頃ですが 朝晩、寒暖差が激しくなり出すのもこの頃です。読者の皆様は、風邪などひいていませんでしょうか。今年は例年になく、ワクチンが市場に出回る前から、インフルエンザが一部地域で活動を開始し始めています。手洗いうがいは、念入りに。十分にお気を付け下さい。

 

先日の新聞記事に、このようなことが書かれていました。2013年における国立がんセンターの全国集計の結果によると わが地元、石川県に、胃がんが多いことに驚きました。 男女ともに47都道府県中6位!!これは、専門医として、故郷石川県の胃がんを微力でも何とかしなくてはと・・・・、と強く思いました。

当院がある白山市でも、1年程前より胃がん検診として胃カメラが導入されるようになり、 また、患者様からの要望も以前からあったこともあり、当院でも今年の8月から胃カメラを導入いたしました。実は、当院は、私が消化器内科出身でありながら、様々な事情により今まで胃カメラを導入しておりませんでしたが、今年に入り満を持して導入を決めました。その必要性をこの記事を読み改めて再確認した次第です。

 

当院の胃カメラは、従来の口からの胃カメラで経験される喉のつらさをなくすべく、鼻からの胃カメラを導入しています。カメラ自身も従来のものよりコードがかなり細くなり、やわらかくなっているため、麻酔をせずに検査が行えることにようになりました。その事により、カメラ中も余裕ができ、患者様とおしゃべりもできるほどです。麻酔をしないためカメラ後の休憩も軽減されますので、お忙しい方やお仕事の合間での監査の方にも気軽に検査にお越しいただくことができると思います。

 

開院して2年間、カウンセリングや診療にて、患者様の様子をお伺いしてきている中で、あらゆる症状や病気の裏には、ビタミンやミネラルなどの栄養素不足があることを感じてきました。あらゆる栄養素を消化・吸収する第一段階において、胃は最も重要な臓器といえるでしょう。また、腸内環境とも密接な関係性がある菌の中でも有名なピロリ菌。このピロリ菌による胃炎が消化吸収の妨げとなっている。という事もわかってきました。胃カメラ導入後一カ月間の集計をしたところ、14名中6名、約半数の患者様にピロリ菌が見つかりました。 さらには、慢性胃炎10名、胃潰瘍2名も見つかりました。今や胃癌の主な原因はピロリ菌と名指しされている時代でもあります。

 

ピロリ菌(正式名称:ヘリコバクターピロリ菌)は、名前こそかわいいイメージですが、強力な胃酸にも負けない細菌で、胃に長らく棲みついて慢性胃炎や胃潰瘍、そして怖い胃癌を作ってくる可能性があります。胃の症状のある方、胃癌の家族歴のある方、胃カメラ未経験な方などは、とりあえず自分の胃の中の状態を把握してみよう。といった気持ちで、胃カメラを経験してみてはいかがでしょうか。石川県は胃癌の方が多い→原因となるピロリ菌由来の胃炎の早期発見をしたら患者数を減らせるかもしれない→胃カメラ検査が必要!!と思われます。

 

体の内部は、目では認知ができません。体の外部は、鏡を見たりと目で目視が可能ですよね。 顔色が悪い、毛髪が薄くなってきたな。おなかが出てきたわ。など、外見の変化は認知をしているのに、体の内部のことは何かしら疾患の症状が出てくるまで放置してしまいます。外も内も自分のお体です。同じように状態を把握したうえで、ご自身のお体を管理することが未病を防ぐことにも繋がると考えています。

 

最新式の患者様の体に負担が少ない胃カメラで、ご自身の胃の状態を確認してみませんか。
ぜひ、ご活用下さい。


 

院長 新  浩一

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