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2022年春号!高齢者の熱について

VOL.58
2022.04

こんにちは
院長の新です。

 

コロナ禍の2年が過ぎました。皆さま疲れを感じている頃ではないでしょうか?
そして、今年に入りウクライナ問題、地震など、マスメディアからは新しい不安と恐怖を煽る画像に目を覆いたくなります。そして、私は、テレビを見ることをやめてしまいました。その代わりに新聞、オンラインニュースやYouTube、SNSなどを利用し様々な情報に触れています。なぜならばテレビは、嘘ばかりだと気づいたからです。

 

私たちの生活は、今『検温』『アルコール消毒』そして『マスク』一色です。
一昔前は、財布を忘れたらどこにも行けませんでしたが、今や財布は忘れてもどうとでもなる、でも、マスクを忘れたりしたら車から一歩も出れない生活になりました。
いつの間にかこんな社会になってしまいました。正直悲しいですし、不便で仕方ありません。コロナ感染症を拡大させないために!という御旗の元仕方ないのかもしれませんが、とても不自由ですし、こんなのおかしい―!と考える頭だけは、持ち続けようとも思っています。

 

こんな気持ちの時間が過ぎ、この曖昧模糊を綴る気にもなれず随分と更新ができずにいました。読んでくださっていた方には、申し訳なく思います。ごめんなさい。

 

そこで春になり少し気持ちを入れ替え、診察室で感じたことから書こうと思います。

 

第1弾!
高齢者の方についての不思議!

高齢者の方がコロナワクチンを接種されて、「だるかったけど、何も熱出なかったよ」と誇らしげに話されたり、また、咳とだるさ、腰の痛みなどがあって来られ、「熱出てないしコロナ検査せんでいいやろ」と話されることがあります。

 

そんな方に「あなたの平熱は?」とお尋ねすると、案外、35℃台だったりするのです。
例えばですが、ふだんの平熱35.0℃代の方が、36.5℃になったとしたら、1.0℃以上上昇しているので、36.5℃が平熱の方であれば38.0℃になったことと等しくなるのです。
いわゆる“発熱”です。だから、身体もだるかったり、食欲が落ちたりするのです。

 

どうしてそうなるのか?
それは、高齢になるとともに、低体温になりやすくなっているからです。
当院でも以前、インフルエンザワクチン対象者352名の体温を調査してわかったことですが、60-80歳台の平均体温は36.0-36.2℃と(一方、若い方は36.5-36.6℃)低かったのです。

 

これには、訳があります。単純に高齢で新陳代謝が落ちたからとか、肝臓機能が落ちて発熱物質が作れないとかだけの話ではないのです。
高齢になると、あちこち痛くなり、病気も増えてきます。
それに伴いて、毎日飲むお薬も増えてきます。
普段から、腰が痛くて、頭が痛くて、服用している“痛み止め”
そして、心筋梗塞や脳梗塞などで毎日服用されている、“血をサラサラさせるお薬”
これらの薬には、熱を下げる作用も備わっているのです。

 

ご存知でしたでしょうか。
こんなことからも高齢者の方の診察には、十分気を配る必要があります。

 

そういうこともあるので、年齢とともに、身体の症状(だるさ・食欲・痛みなど)に気をくばり、自分の平熱を知ること、それがいつもの自分とバランスを崩した自分を比べることになります。そんな感覚をお持ちになるといいかもしれません。

 

当院でも、こういった情報を皆様にお届けしていきたいと考えています。
曖昧模糊での発信、待合室の動画配信、セミナー活動などなどご興味があるかたは見ていただけると励みになります。
(しかしながら、忙しさにかまけなかなか更新できなかったり、こんなこと医師が言っていいの?というお話もあるかも知れませんが、よろしくお付き合いください)
遅らばせながらではありますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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